「要領よく勉強すれば東大程度余裕」現役東大生ゲーマーにアンケートをとった結果

こんにちは。東京大学esportsサークル(以下UTeS)所属のねいぴあです。

N4PI3R(溝渕湧基)
APEX講師

東京大学農学部で趣味は考察です。 splatoon2(XP2715), Apex(master),
思考力と言語化能力に自信があるので、そういった点で協力していきたいです

UTeS公式ホームページに掲載される記事の第一号ということで、老若男女を問わず様々な方に読んでいただきたいと思い、全世代を巻き込んで議論が起こりがちな、勉強とゲームというテーマで記事を書かせていただきました。

「ゲームなんかやっていたら東大には受からない」

それが世間一般の常識。

 勉強時間は受験においてもっとも重要なリソースです。熱中するあまりつい時間を食ってしまうゲームは受験勉強の天敵といっていいでしょう。今でこそ日夜ゲームに打ち込んでいる私ですら、ゲームと勉強の両立は不可能と考え、受験生時代は大好きなゲームを一切封印して受験勉強に全力を注いでいました。

 しかし、忘れてはいけません。ここ東大は常識破りの天才たちが集う場所だということを。過酷な受験競争を勝ち抜いた東大生ゲーマーたちが数多集うUTeSなら、私の想像の範疇を超えた受験生活を送っていたゲーマーがいても不思議ではない……

そこで、サークルのメンバーたちに受験生時代のゲーム事情に関するアンケートを行ってみました。

アンケート結果を見てみると、早速驚くべきデータが観察されました。

フォームの回答のグラフ。質問のタイトル: プレイ時間を教えてください。回答数: 9 件の回答。

上の円グラフは、受験期の年間プレイ時間に関するアンケート結果ですが、なんと1000時間から2000時間と答えてくれた部員が6割越え。1000時間というと1日あたりざっと3時間以上プレイしている計算になります……3時間以上!?

そんな彼らが受験とゲームの両立をどう考えていたかというと……

どん。

受験期にも関わらず、「がっつりゲームしても問題ない!」と考えている部員が3割越え。「趣味程度なら」と答えた部員が6割。部員の9割が受験期のゲームプレイに肯定的という結果に。筆者のように「受験期はゲームを封印しなければ!」と考えていた部員はなんと全体の1割にも達しませんでした……

そうなんです。これで東大に受かっているんですから、文句の言いようがありません。

彼らがゲームにこれだけの時間をつぎ込みながら、受験も成功させることが出来たのは何故なのか、みなさんも気になりませんか?

その答えの手がかりは、「どうやって受験勉強とゲームを両立していたか?」という質問に対する部員たちの回答に隠されていました。

この質問の回答を分析してみたところ、要因は大きく2つに分けられることがわかりました。

まずとにかく頭がいいタイプの人は…

  • 元々勉強時間が少なかったので特に問題なかった
  • 受験のために必死に勉強しなくても勉強才能とちょっとの運があれば東大ぐらい受かります
  • ゲームをすると学習時間が減って落ちやすくなるのは事実だとは思うが、要領良く学習さえすれば人より学習時間は少なくても大学受験は東大程度なら余裕で受かる。

そもそも受験勉強にリソースを割く必要がなかったようです…

東大程度…私も言ってみたかった…

頭が良すぎて全然参考になりませんね。さて、もうすこしマイルドな人たちの回答を見てみましょう。

  • 効率的な勉強法を自分の中で確立してしまえば一日4時間は可能
  • 22時まで勉強してその後は自由時間としてゲームをしていた
  • 平日も2時間ほどは自由時間があるような勉強計画を立てていて、その自由時間のほとんどをゲームに当てただけです。ゲームをやめないと受からない人は、本来目指すべき大学より上を目指しているか、より時間を割きたい他の趣味が存在しているかのどちらかだと思います。
  • 勉強は塾などに行き、確実に意味のある勉強時間を確保した上で、移動時間や深夜にゲームをして、睡眠時間は学校の授業で取ってました。はっきりいって学校の授業は受ける意味がなく、塾でやることしっかりやれば東大は受かると思います。また、無闇矢鱈と勉強時間さえ取ればいいと考え、夏休みは14時間勉強したとかいう人がいると思いますが、その人たちは多分勉強方法を間違っています。要領のいい勉強をすれば夏休みでも5時間程度で十分です。

この人たちの回答に共通していることは、

時間の使い方や切り替えがとっても上手 だということです。

キーワードはずばり「計画」「自由時間」「効率」の3つ。

 まずは自分の学力と目標の差から逆算してきちんとした合格までの勉強の「計画」を立てること。次に、その計画に沿って具体的に勉強をこなしていきますが、そこでの「自由時間」を確保するために「効率」を重視していたようでした。

 また、無理な勉強計画を立てることへの批判、ということが全員の回答に共通していました。自由時間も取れないような学習計画を立てないといけない時点で、時間の使い方かそもそものゴール設定のどちらかが間違っているのではないか、と考えているようです。

 私にとって目からウロコだったのは、自由時間に関する視点でした。「受験生なのにゲームなんかしてる場合じゃない」と考えるのではなくて、「受験生だからといってゲームもできないなんて、それは受験のやり方が根本的に間違っている」と考えているのですから。

 彼らは、受験に対してもゲームに対しても真摯に向き合い、計画的に取り組もうとしたからこそこういう発想に至ったのだと思います。自分の力を正確に見積もること、それに応じた目標と計画を立てること。いずれも受験だけでなく人生の様々な場面で役に立つ考え方ではないでしょうか。

ついでにUTeSのみんなが受験期にどんなゲームをしていたかのアンケートもとってみました。

やはりApexが多いですが、皆結構色々なゲームをプレイしていたようです。

まとめ

 今回のアンケートは私にとって意外な結果となりました。もちろんこのアンケートで文字通り勉強とゲームを両立させた人たちが優秀なのは間違いありません。しかし、ゲームをするために、必要な分の勉強を短時間で効率よくしようとすることは、誰でも実践できることだと思います。

 今回の結果を見ても、私は受験時代に勉強に集中したことを後悔はしていないし、それがあるからこそ今の自分があると思っていますが、もし自由時間を作ることを前提に計画を立てていれば、より効率よく勉強が出来ていたかもしれません。

 多種多様な娯楽に満ち、気の散りやすい現代社会において、彼らの、自分のしたいこととするべきことをしっかり両立させるやり方は、おおいに参考になると思います。

それではよきゲームライフをー

文責 ねいぴあ